オタクですらないなにか

「オタク」と聞いて思い浮かべるものはなんだろうか、アニメオタク、アイドルオタク、乗り物オタク辺りがイメージされるのではないか。このオタクというのは一般的にはヒト亜科ヒト族の生物で、ある特定の事柄に熱を入れてる人であり、またオタクの特徴として自分がオタクであることをアイデンティティだと思い込んでいる人が一定数いることがあげられる。

 

・オタクとしての自分

自分も例に漏れず、高一でアニメにハマって以降、DVDを買い、グッズを買い、聖地巡礼をして生活してきた、時には学業を犠牲にしてまでオタクをしてきた。自分は、容姿も頭脳も運動も取り立てて良いところはなく、自己肯定感は常に低空飛行であるが、そんな自分を忘れ夢を見せてくれるアニメというものに自分を取り込まれ、いつしかアニメが精神の拠り所となっていた、毎週アニメをTwitterで実況する事を生きがいに生きてきた。また、アニメだけではなくアイドルにも熱をあげCDを買ったりファンクラブに入会したりしている。このように、社会から必要とされず自分に価値を見いだせない人間であっても、現実とは乖離したコンテンツを消費し、「オタク」としての自分でいることで自らの存在証明としている。なにかに熱中しているうちは自分の事を考えなくていいというのは麻薬等とは比にならない幸福感をもたらす。

 

・衰え

最近、新しいコンテンツに手を出すことにとてつもない疲労感を感じるようになり、新しい情報を仕入れることが無くなってきた。前項でもあげたがオタクという生物は熱中する事で生きているのでその気力がなくなったらおしまいである。最近も聖地巡礼をしたが、これは昔見たアニメの情報の刷り直しであり、作品自体も5〜6年前のものである。最近見るアニメも精々既存アニメの新シーズンだったりで完全新作の作品に手を出す事が減ってきたように感じる。このまま完全にオタクとして止まってしまったら自分には何が残るのだろうか。1つのコンテンツだけにハマる事の恐ろしさとは、そのコンテンツを失った時に初めて気づくのだなと実感した。これから自分は何を拠り所にしていけるか、それを考える時期なのかもしれない。

 

・今後

周りも自分も20歳を超え、本格的に今後を考える事が多くなった、よく聞くようになったのは「結婚」という単語である、何歳までに結婚したい、どんなタイプがいいか、などこれらを真剣に考える年齢になってしまったのだ。自分は性格と容姿がとても悪く、趣味も前述の通りとても女子ウケが良いとは言えないものである。とても結婚なんて出来たものでは無い、性格を直せば良いなどとも言われるがそれが出来ていたらこんな怪文書など書いてはいない。このままだと定年退職するまで家と職場を往復し、周りが続々と結婚し家を建て身を固めている一方で1人6畳の賃貸物件でSNSで誰かを批判したりイラストを眺めるだけでこれといった面白い趣味も話題性のあるトークも出来ない、社会的弱者が誕生するだけだと断言出来る。そんな自分に耐えられる自信が無いしそうなったら人混みで自爆テロでも起こしかねない。もし神がいるのならば、出来るだけ知り合いや家族が悲しまない方法でなるべく早く楽に逝かせて欲しい。これが最大の願いである。