ユニバース

本日3月24日、グリッドマン ユニバースが公開されたという事で観てきた感想をここに述べる。

結論から言うと、とても面白く見てよかったと思える作品に仕上がっており、時間があればもう1回観ようかなと思っている。

作品の本筋

この作品は、いわゆるSSSS.GRIDMAN(グリッドマン)とDYNAZENON(ダイナゼノン)のコラボ映画のようなものであり、往年の特撮映画にみられた○○レンジャー＆○○レンジャーのようなものである。ストーリーとしては色々あってグリッドマンの世界とダイナゼノンの世界が繋がってしまいそれぞれの作品の登場人物達が交流しながら繋がった原因を見つけ黒幕を倒すというシンプルな流れだった。

良かった点

･バトルシーン

やはり原作が特撮なだけあってバトルシーンは1級品でとても良かった。バトルにおける描写の映し方が様々な視点からのもので原作リスペクトを感じた。また、この作品ならではの勢いもあり、グリッドマン、ダイナゼノン、ゴルドバーン、グリッドナイトが勢ぞろいするシーンは圧巻だった。そこからの合体＆新技の流れは王道ではあるもののスクリーンに流れるととても圧倒されるものがあった。

･演出

この作品シリーズは日常シーンなどで極力BGMを使わないようになっており、より会話内容などがストレートで感じられるようになっていて、とても写実的であると感じた。また日常描写だけではなく、日常が崩れるシーンの描き方もとても良く、裕太が世界の違和感に気づくシーンは過去作のDYNAZENON11話を彷彿とさせる描写の仕方であった。

･オーイシマサヨシ

SSSS.GRIDMAN、DYNAZENONそして今作グリッドマンユニバースも全てオーイシマサヨシが主題歌を担当しており、毎回作品にリンクした曲でなおいっそう作品を盛り上げてくれるが今回も外すことなくしっかりと作品に沿った曲を仕上げてきており、「もう忘れてしまったかい？　覚えてないかい？僕らが見た「宇宙」のことを世界の平和さえ　僕らの手にかかってた嘘みたいな日々のこと」という歌詞はグリッドマンとしての記憶を無くしていた裕太が新たな脅威が出現したことで改めてグリッドマンとして戦うことを決意した描写を丁寧に描いており、作品理解度が天元突破していた。この作品の30％はオーイシでできている。ありがとうオーイシ

･公式カプ供給

今回の作品では公式がとても裕太＆六花と夢芽＆よもぎのカップリングを強く推していて、カプ大好き人間としては満面の笑みでオタクスマイルが全開になった。既に付き合っている分よもゆめの方が大人な感じもあったが、終盤の蟹のくだりの夢芽がとても可愛くて最高だった。最後のシーンを六花と裕太にしたのは制作サイドは”分かってる”なと思った。これだけカプ描写をたくさん入れてくれて本当にありがとう😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭

これのために1500円払いました。

個人的に良くなかった点

･原作俳優

裕太がジャンクPCに向かう場面で登場したバイクに乗った人物、この人物の声を担当していたのは30年前に原作の電光超人グリッドマンで主人公を演じた俳優であり過去作にも登場しているが、ストーリーの緊迫した状況下で登場したのに、あまり話とは関係なくしかも演技が下手だったので要らなかったかなと思う。ドラえもんの映画に登場する芸人枠のようなものを感じた。

･118分

この作品はSSSS.GRIDMANとDYNAZENONのクロスオーバー作品であり、要素が盛りだくさんでお祭りのような内容だった一方で筋の通ったストーリーでとても見応えがあったが、上映時間が2時間弱と短く、これだけの要素を詰めるには少し時間が足りなかったんじゃないかと思う。欲を言えばもっと中盤のシーンを増やしても良かったかなと感じる。特に新世紀中学生とガウマさん(レックス)の絡みやせっかく出てきた5000年前の姫(これはマルチバースの比喩なので仕方ないが)などの会話があるともっとクロスオーバー要素が強まったんじゃないかという気持ちがある。

なんやかんや言ったが観て後悔はしない作品なのでぜひSSSS.GRIDMANとDYNAZENONを視聴してから映画館まで足を運んでみるといいと思う。

個人的には入場特典が六花＆夢芽で満足した。

上 裕太＆六花 下 よもぎ＆夢芽 

個人的には裕六よりよもゆめが好きです

オタクですらないなにか

｢オタク｣と聞いて思い浮かべるものはなんだろうか、アニメオタク、アイドルオタク、乗り物オタク辺りがイメージされるのではないか。このオタクというのは一般的にはヒト亜科ヒト族の生物で、ある特定の事柄に熱を入れてる人であり、またオタクの特徴として自分がオタクであることをアイデンティティだと思い込んでいる人が一定数いることがあげられる。

･オタクとしての自分

自分も例に漏れず、高一でアニメにハマって以降、DVDを買い、グッズを買い、聖地巡礼をして生活してきた、時には学業を犠牲にしてまでオタクをしてきた。自分は、容姿も頭脳も運動も取り立てて良いところはなく、自己肯定感は常に低空飛行であるが、そんな自分を忘れ夢を見せてくれるアニメというものに自分を取り込まれ、いつしかアニメが精神の拠り所となっていた、毎週アニメをTwitterで実況する事を生きがいに生きてきた。また、アニメだけではなくアイドルにも熱をあげCDを買ったりファンクラブに入会したりしている。このように、社会から必要とされず自分に価値を見いだせない人間であっても、現実とは乖離したコンテンツを消費し、｢オタク｣としての自分でいることで自らの存在証明としている。なにかに熱中しているうちは自分の事を考えなくていいというのは麻薬等とは比にならない幸福感をもたらす。

･衰え

最近、新しいコンテンツに手を出すことにとてつもない疲労感を感じるようになり、新しい情報を仕入れることが無くなってきた。前項でもあげたがオタクという生物は熱中する事で生きているのでその気力がなくなったらおしまいである。最近も聖地巡礼をしたが、これは昔見たアニメの情報の刷り直しであり、作品自体も5〜6年前のものである。最近見るアニメも精々既存アニメの新シーズンだったりで完全新作の作品に手を出す事が減ってきたように感じる。このまま完全にオタクとして止まってしまったら自分には何が残るのだろうか。1つのコンテンツだけにハマる事の恐ろしさとは、そのコンテンツを失った時に初めて気づくのだなと実感した。これから自分は何を拠り所にしていけるか、それを考える時期なのかもしれない。

･今後

周りも自分も20歳を超え、本格的に今後を考える事が多くなった、よく聞くようになったのは｢結婚｣という単語である、何歳までに結婚したい、どんなタイプがいいか、などこれらを真剣に考える年齢になってしまったのだ。自分は性格と容姿がとても悪く、趣味も前述の通りとても女子ウケが良いとは言えないものである。とても結婚なんて出来たものでは無い、性格を直せば良いなどとも言われるがそれが出来ていたらこんな怪文書など書いてはいない。このままだと定年退職するまで家と職場を往復し、周りが続々と結婚し家を建て身を固めている一方で1人6畳の賃貸物件でSNSで誰かを批判したりイラストを眺めるだけでこれといった面白い趣味も話題性のあるトークも出来ない、社会的弱者が誕生するだけだと断言出来る。そんな自分に耐えられる自信が無いしそうなったら人混みで自爆テロでも起こしかねない。もし神がいるのならば、出来るだけ知り合いや家族が悲しまない方法でなるべく早く楽に逝かせて欲しい。これが最大の願いである。